第九号 オクターブローラー(↓)を使ってみようーベートーベン第九アジア上演100周年をお祝いして
Kaeru-de-Fusionいかがでしたか。ただのカエルの歌なんですが、すごい迫力になっていましたね。
いつまでもやっていたいところですが、さすがにもう少しテクニックをマスターできる曲がやりたいところです。
そこでオクターブローラーです。
オクターブの上げ下げはオクターブローラーで
EWIは基本運指を1オクターブ分マスターすれば、それより高い、あるいは低いところはオクターブローラーを使って、同じ運指の仕方で演奏します。
サックスでいうと、オクターブキーという、カキっと押すと1オクターブ上るキーがあります。あれと発想は似ています。
クラリネットだとオクターブ違うと運指自体が違いますので、EWIのオクターブローラーは優れものなわけです。
ローラーなのが良いか悪いか
さて、オクターブローラーは裏側にあり、EWIを構えるときに基本的に左手親指をそこのギザギザのあるローラー二つの間に挟んでいると思います。EWIの基本姿勢は過去記事をご覧ください。
参照
演奏中に例えば、中音のドから更に上のレにしたければ上のほうのギザギザローラーを上にくるっと回す・・・
回す( ^ω^)・・・
ただ回してもなにもなりません><;
実はローラーを回すことにあまり意味はなく、一つ上のギザギザのないつるっとしたローラーに親指で「触る」と1オクターブ上ります。
同様に、中央のドより低いシを出したければ、下の方のギザギザローラーをくるっと下に回す・・・
回す( ^ω^)・・・
何も変わりません!
やっぱり、下のギザギザローラーより一つ下のつるっとしたローラーに親指が触らないと、1オクターブ下の音は出ません!
ローラーに親指が触ればいいのだがローラーのせいで失敗もする
ということで、このオクターブローラー、回すことに意味があるわけではなくて、別のローラーに触ると、その触ったローラー次第でオクターブが上がったり下がったりするというものです。
紛らわしいですね。
ただ親指を上下に動かして適当なローラーに触れればオクターブ上下します。
なぜローラーになっているのかは、ちょっと分かりません。親指に今どのオクターブにいるか感覚を伝えたいからかもしれません。何か他に演奏上メリットがあるかもしれません。
しかし、慣れないうちはローラーであることのデメリットが大きいです。
(前の音が終わったら)
1.くるっと回す
↓
2.親指の端が上(下)のローラーに触る←その間に運指を終える
↓
3.息を吹き込む
↓
4.正しい音が出る
という順番ができていればいいですが、間違ってローラーに触る前に息を吹き込めば、狙ったオクターブの音になりません。回し切ってから息を入れないとピボっという変な上下の途中の音が出ます。
前の音が終わったら、という辺りも曲者です。あまりあせってローラーを動かすと前の音が残っているのに、ビボッと上下したりします。
この辺は何度も簡単な操作をやってみて、息と運指とローラー操作をうまくシンクロさせるしかありません。
恒例の練習曲はベートーベンの第九をテクノでどうぞ
というわけで、練習です。練習には運指が簡単なものがいいですね。選んだのはベートーベンの第九の一番有名なところです。
ベートーベンの第九、今年でアジアで初めて演奏されて100周年ということです。初めて演奏されたのは面白いことに、第一次大戦でドイツ人が捕虜になって当時徳島県の鳴門市にあった捕虜収容所にいましたが、捕虜の皆さんがリクレーションで始めた演奏会で演奏したのが初演だそうな・・・
地域住民との交流もいろいろあったそうで、鳴門市は今年盛大にお祝いをしていました。隠れた日本史ですねえ。知りませんでした。
さて、その第九ですが、ミでスタートすると、一番盛り上がるところで、1オクターブ低い「ソ」が出てきます。
ソは右手は全部解放、左手は全閉じ、ただしオクターブローラーだけ、下にくるっと回します。ちゃんと親指の端が一つ下のつるっとしたローラーのところに触れば、ブン!という感じで低い音が出ます!
せっかく100年も経ったのですから、曲調はテクノにしました。ドイツといえば現代は何だかテクノのイメージじゃないですか(笑)。ベートーベンが今生きていればきっとテクノアレンジにしたと思います。
それではテクノな第九でローラーの簡単な操作、特に息とのシンクロに慣れてみてください。
次回はローラーを上に上げる練習曲を紹介します。