今日も一日EWIより

サックスやクラリネットよりも手軽に始められる電子管楽器EWI。でもやっている人が少なくて謎に満ちた楽器でもあります。そんなEWIの魅力にとりつかれたEWIおじさんたまおじがEWIの奏法(吹き方)を勉強して読者の皆様と一緒にリアルタイムで上達していこうというブログです。練習に使える伴奏曲も掲載します。

第六号 EWIの息抜き(余計な息を逃がす)の問題

さて、前回のマウスピースの咥え方の問題、うまく解決したでしょうか。

ewiyori.hatenablog.com

※この記事、「EWI 歯が痛い」というキーワードで検索すると第一ページに表示されてしまうようになってしまいました( ^ω^)・・・あまりそういう人はこれまでいなかったのか?

 

私は歯でくわえないことにしましたが、やっぱりくわえたい!とか、くわえても問題がないという方は、いろいろやってみて、自分にドンピシャな苦痛のない方法でやっていただくのがイイかな、と思います。

※唇だけでくわえるのは、おそらくですが、後ほどいろいろなキーやローラーを操作する際に楽器がブレるので、口中でマウスピースが動いて歯に当たって危ない!ということもあるかもしれません。私のおススメは前号をご覧ください。

 

息抜きの問題からは逃れられない

ということですが、EWIには構造上一つ、管楽器と違った大きな問題が出ます。

どのくわえ方でもいいのですがマウスピースをくわえて、ブーっと音を出します。

ブーっと出ます。ブーっと。

 

なんだかずっと音が出ています。というかずっと息が吐き続けられます。

 

しかし、人間息を吐くのにこんなに長く吐いていることはありません。どこかで吐いて、吸わないと死んでしまいます!

 

しかしいつまでも息が無くならないので、いつ息を吸えばいいのか分かりません!!

どこで、どこで息を吸えばいいんだ!助けてくれ!!

 

だんだん苦しくなって顔も真っ赤になります。

 

管楽器だと息が抜けるので、息を吸いたくなる

これがサックスやクラリネットだと、息という物理的なもので音を出し続けますので、息がどんどんなくなり、音も出なくなり、どこかで息を吸いたくなります。

 

ところがEWIはセンサーをわずかな風量で鳴らしていますので、あまり大量の息は要らず息が余ります。そのため、いつまでも音を鳴らし続けることができます。そうすると呼吸のリズムがつかめず、

 

「く、苦しい!息を吸わせてくれ!」←吸いたけりゃ自分でどこかで決めて勝手に吸え、という気もしますが・・・

 

息を逃がす練習

ということで大量に息が余るEWI。もちろん、超ロングトーンとかやってみたければいいのですが、普通に楽器として吹く際の呼吸のリズムに合うようにするには、余っている息を逃がしつつ、センサーには必要な分だけ息を当てなければなりません

 

そのため、EWI MASTER BOOKには、

「ほかの管楽器と比べるとEWIは「息の余る楽器」です。口の横から息を漏らしながら演奏すると、ほかの管楽器の吹奏感と近くなるかもしれません」(37ページ)

と書かれています。

( ^ω^)・・・

 

( ^ω^)・・・

 

口の横から息を漏らしながら演奏?

漏らしながら?

 

サックス・クラリネットをやったことがある人はびっくり仰天していることでしょう。

私は、「口の横から息をもらす」というところで仰天しましたが。

 

歯でマウスピースを押さえて口の両脇に隙間を作るのは難しい

ということで、前号と関連が出てくるのですが、歯でマウスピースをくわえて、口の両脇を開けて息を逃がすのは非常に難しいのがやってみると分かります。

 

「イー」と言っているような口でやってみますが、口がよほど大きくないとできないのではないでしょうか。この辺もスタイナーさんの大味なドイツ系の設計が反映されているように思います。

 

また「イー」を意識するとそれだけで歯の噛みが強くなります。私が歯ぐきがガタガタになったのは、三日目に息抜きの練習を始めた直後でした。最初二日は、

 

「く、くるしい!息が、息ができん!ちぬ!!」←どこかで勝手に吸えよ、と思うのですが・・・

 

となったので、教本を読むと、息をぬけ、となっていたのでやってみたのです。その結果、本当に歯と歯茎が痛くなりました。

 

よだれもいっぱい出て、泡泡になる

また人の口の形にもよるのかもしれませんが、噛んで口を開けるとよだれがどろどろ出ます。汚いです。

 

マウスピースの中に入ることもあって、変な

「げろろろ」

という音も聞こえます。

 

泡になって、口の横から飛び出したりもします。

 

うーん、これでは、人前で演奏できん・・・

 

クラリネットなどもそうかもしれませんが、さすがにここまではいかない気もします。

 

私に管楽器の面白さを教えてくれた恩師のようなクラリネット奏者がいますが、彼はいつも背広を着て、エレガントにハンカチでマウスピースをふきふきしています。口の横から泡を飛ばしたりはしません。

 

これはEWI、厄介な楽器だな。

 

伝統的くわえ方だとコントロールしやすい

そこで、例の伝統的くわえ方を試しましたが、こちらの方が息抜きのコントロールがしやすいようです。

 

なぜかと考えると、下唇の厚みの分、口の形に高さがあるので、空気が抜けやすいようです。

 

噛む口の「イー」だと平たい口の形なのに、スキマを開けろ、息を出せ、というのは矛盾しています。

 

伝統的くわえ方だと、すでに口の両脇がゆるく開いている感じです。サックスクラリネット教本を読むと、逆に、

 

「マウスピースの横などから、息が漏れないように」

(『サックス入門ゼミ』河原塚ユウジ 自由現代社16ページ)

と書かれているではありませんか!?

 

つまり、伝統的くわえ方はあまり意識しないでそのままだと息が漏れやすいのです!

 

トレビアン!

 

素晴らしい!

 

やってみると、息が自然に口横から漏れます。漏れると口が自然乾くようで、よだれがドロドロ出てきません。

 

EWI教本の宮崎氏の咥え方をポイっと捨てるのは最初、躊躇しましたが、ここまでいくと伝統的くわえ方にしたほうが明らかに優れていて、しかも体に負担がなく、お客様から見ても爽やか!!なのは間違いありません。

 

最終的には息を閉じ込めることも必要

これでやってみると、長く音を伸ばしたいときは、息の漏らしを抑え、普通にリズミカルに吹いているときは漏らしながらやるという芸もできるようになりました。

 

ロングトーン。うーん、キーボードの名曲プロコルハルムの「青い影」とか、ケニーGの曲も結構必要でしょうか。

 

いずれそういう曲を紹介していけたらいいなと思います。

 

まずはぜひ自分に合ったくわえ方で、自然に息がもらせるように練習してみてください。私は最初の10日くらい、この問題と格闘していました。

 

ちょっと時間はかかるかもしれませんし、今後もだんだん修正していくかもしれません。

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